約10年前に発症し、発生頻度が増していた片頭痛が改善した例
【患者】20代後半、男性
【既往歴】―
【主訴】最近片頭痛が起きる頻度が多くなっていて、今日も頭がズキズキする。
【現病歴】学生の頃から片頭痛があったのだが、頻度が増しており、最近では月に2度痛みが発生する。痛みが出そうになったら薬を服用している。
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【現症】頭部全体的に痛みがあるが、特に左側頭部の痛みが強い。施術当日だけでなく、いつも左側頭部が特に痛むとのこと。
【施術と結果】本症例は、片頭痛を訴えていることから、頚部左側の筋緊張が痛みの要因であると考えた。
左側頭部の痛みが特に強いため、頚部左側の筋緊張が強いと考え触察したところ、左胸鎖乳突筋の停止部周辺に筋緊張が確認できたため、緩消法にて約1分弛緩したところ、痛みが10から8(NRS改変)となった。筋緊張が残存しているため引き続き同部位を緩消法にて約1分弛緩したところ、痛みが10から6(NRS改変)となった。
ここで、左側頭部の痛みよりも右側頭部の痛みの方が強く感じられるようになったとの申告があったため、先ほどと同様に頚部右側を触察し、右胸鎖乳突筋の停止部周辺に筋緊張が確認できた。緩消法にて約1分弛緩したところ、痛みが10から5(NRS改変)となった。両胸鎖乳突筋の停止部周辺の筋は比較的弛緩したため、さらに胸鎖乳突筋を触察し、起始部周辺に筋緊張が確認できたため、緩消法にて左右それぞれ約3分弛緩したところ、痛みは10から3(NRS改変)となった。
痛みに変化が確認できたが、同部位に緩消法を行っても筋弛緩が芳しくなかったため、両胸鎖乳突筋の筋緊張を引き起こすと考えられる腰部側面を触察し、筋緊張が確認できた。緩消法にて約2分弛緩したところ、痛みは10から2(NRS改変)となった。
さらに同部位を緩消法にて約15分弛緩したところ、痛みは10から1となり、「頭がすっきりした。もう良くならないと思っていたので安心した」と安堵の表情を浮かべられた。