【患者】 30代前半、女性
【既往歴】 顎骨形成術後(2018)
【主訴】 約3年前に手術を受けてからずっと顎や唇の辺りがしびれている。
【現病歴】 約3年前に歯列矯正の一環で顎骨形成術を受けた。術後から下顎全体にしびれがある。術後のレントゲン検査やCT検査では異常なしとの診断を受けた。以後加療は受けていない。
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【現症】 下顎全体に常時しびれがある。オトガイ部のしびれが特に強い。口唇については知覚が過敏になっており、飲食時に熱いものや冷たいものを口にするときは痛みに似た刺激を受ける。
【施術と結果】 本症例は、下顎全体のしびれを訴えており、下顎全体の筋緊張による血行不良がしびれの要因であると考えた。まず、しびれの強いオトガイ部を触察し、筋緊張が確認できたため、緩消法にて約1分弛緩したところ、しびれが主観で4割減との報告を受けた。
変化が確認できたため、引き続き同部位を約1分緩消法にて筋を弛緩したところ、しびれが主観で6割減との報告を受けた。その後も同部位を緩消法にて約3分緩消法にて筋を弛緩したところ、しびれが主観で7割減との報告を受けた。
ここで、しびれの変化が小さくなったことから、下顎底周辺の筋緊張が下顎全体の筋緊張の要因であると考え、触察にて下顎底の筋緊張を確認し、緩消法にて約3分弛緩したところ、しびれが主観で8割減との報告を受け、しびれの範囲がオトガイ部周辺のみとなったと報告を受けた。ここまでで下顎全体の筋は比較的弛緩したが、痺れが残存するため、下顎角の筋緊張が下顎全体の筋緊張を誘発すると考え、触察にて下顎角の筋緊張を確認し、緩消法にて約2分弛緩したところ、しびれは主観で9割減との報告を受けた。本人のご都合で短時間の施術となったが、「しびれは改善しないと思っていたので、ここまで良くなったことがとてもうれしい」と笑顔でご報告いただいた。
後日、「熱いものや冷たいものを口にしても痛みのような刺激はなくなった」と喜びの報告を受けた。