【患者】40代後半、女性
【主訴】ずっと左膝が痛くて、歩くのも階段を上がるのも辛い。膝が曲げるれないのでしゃがめない。
【既往歴】左膝関節手術後(詳細不明)
【現病歴】左膝関節痛が発症した時期の記憶はないが、看護師の業務上、立位での作業や歩行数の多さで左膝関節に痛みが発症し、近医整形外科にて変形性膝関節症と診断され、手術を受けた。約2年経過後、再度左膝関節に痛みが発生するようになり、看護師の仕事は継続できず退職した。膝への負担は軽減したが痛みに変化はなく、常時膝用サポーターを二重に装着しているが痛みは軽減しない。左膝関節痛のためしゃがみ姿勢が取れない。
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【現症】左膝関節周辺に安静時痛あり。左膝関節可動域(以下、ROM)制限あり。自動運動で屈曲約45°。
【施術と結果】本症例は左膝関節周辺、特に左前膝部の痛みを訴えており、左鼡径部周辺の筋緊張が要因と考えた。左鼡径部周辺を触察したところ、左鼡径部中央周辺に強い筋緊張を確認した。左鼡径部中央周辺に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。
その結果、左膝関節周辺の安静時痛は10から3(NRS改変)と小さくなった。痛みに変化があったため、左鼡径部中央周辺に約2分緩消法を行い筋弛緩を確認したが、左膝関節の安静時痛に大きな変化が出なかった。
次に左膝関節の痛みは左腸骨稜周辺の筋緊張が要因と考え、左腸骨稜周辺を触察したところ左腸骨稜上部外側にしこりのような筋緊張を確認したため、緩消法を約2分行い、しこりのような筋緊張が消失した事を確認した。その結果、左膝関節周辺の安静時痛は10から0(NRS改変)と消失した。その結果、左膝関節ROMは約110°となり、しゃがみ姿勢が取れることに驚かれた。
歩行での左膝関節の痛みもなく、「足が軽い。」と喜んでもらえた。後日、自宅の階段も痛みなく昇降できるとの報告をもらった。