【患者】70代前半、男性
【主訴】パワーショベルの操作でレバーを握る時に右手に力が入りにくい。一度握ると手を開きにくくなる。
【既往歴】左右回旋筋腱板断裂、腰椎椎間板ヘルニア術後
【現病歴】10年以上前に腰椎椎間板ヘルニアの手術をしている。5年前より業務上、パワーショベルのレバー操作をする事が多い。レバー操作の際、右手の握力が弱く、上肢全体に過度の筋緊張をかけて作業をしている自覚がある。作業の後、手指のこわばりを自覚している。
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【現症】安静時痛なし。右手指の可動域制限は目視にて確認されなかった。本人の自覚として、右手で拳を作る動作で手指の筋力低下を認め、右手で拳を作る動作から手指の伸展がしにくく、こわばりを感じていた。
【施術と結果】本症例は右手指屈曲動作での筋力低下と右手指伸展動作でのこわばりを訴えており、右前腕伸筋群周辺の筋緊張が右手指屈曲・伸展の動作を阻害していると考えた。
右前腕伸筋群周辺を触察したところ筋緊張を確認。右前腕伸筋群周辺を施術箇所とし、約2分緩消法を行い筋弛緩を確認したので、右手指の屈曲・伸展の動作をしてもらった。その結果、本人の自覚として、右手指の屈曲動作が3割程筋力が回復し、伸展動作では軽快さが5割程大きくなったと話された。
症状に変化があったため、右前腕伸筋群周辺へ約5分間緩消法を継続し、筋弛緩を確認した。その結果、右手指の屈曲動作で8割程の筋力回復を自覚し、伸展動作でのこわばりは感じなくなっていた。
次に本人が右手指の屈曲動作に力の入りにくさを感じているので、右前腕屈筋群周辺を触察したところ、筋緊張を確認した。約2分間緩消法を行い、筋弛緩を触知されたので、右手指の屈曲動作を確認した。その結果、右手指の屈曲動作時に更に力が入るのを自覚され、これでパワーショベルのレバー操作が楽になる、と喜んでいただけた。