【患者】10代前半 男性
【主訴】ボールを投げると右肘が痛い
【既往歴】―
【現病歴】少年野球チームに所属していて、約1ヶ月前に野球の練習で遠投した後から右肘関節に痛みが出現し、その後、痛みを我慢して練習をしていたが、1週間前から痛みが強くなり投げる事が出来なくなってしまった。1週間後に大事な試合があるためチームメイトの保護者の紹介で当院に来院された。
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【現症】右肘関節完全屈曲時に右肘関節肘頭部に痛みが出現する。右手関節屈曲、伸展では痛みはなく、一番痛みが出現するのがボールを投げた際に、右肘関節肘頭部から内側上顆周辺にズキンと痛みが走るとの事。ボールを持たずに投球動作をしてもらったところ実際にボールを投げた際の痛みが同部位に出現した。
【施術と結果】本症例は投球動作時の右肘関節痛を訴えており、目視しても組織損傷が確認できないため、痛みの要因を筋の筋緊張によって起きていると考え、触察にて上腕三頭筋と思われる筋の筋緊張を確認し、緩消法約2分行い筋弛緩を確認した。
その結果、右肘関節完全屈曲時の痛みが10から3(NRS改変)に小さくなった。再び同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認し、その結果、右肘関節完全屈曲時の痛みが10から0(NRS改変)に消失した。
ボール持たないで行う投球動作時の右肘の痛みは肘頭部には痛みがなく、内側上顆周辺に限局したと報告を受けた。次に投球動作時の右肘関節内側上顆周辺の痛みの要因を、右手関節屈筋群の筋緊張による物と考え、触察にて右肘関節内側上顆から約10cm遠位の範囲の筋に緊張を確認し、緩消法を約5分行い筋弛緩を確認した。
その結果、ボールを待たないで行う投球動作時の右肘関節内側上顆の痛みが10から5(NRS改変)に小さくなった。再び同部位に緩消法を約10分行い筋弛緩を確認し、その結果、ボールを持たないで行う投球動作時の右肘関節内側上顆の痛みが10から0(NRS改変)に消失した。保護者の方に痛みの原因と今後の説明を行い施術を終了した。
その後は、再来院はなく1週間後の試合に出場でき地区大会で優勝したとチームメイトの保護者から報告を受けた。