【患者】60代前半 女性
【主訴】右手の中指が引っ掛かって曲げづらい。痛くて動かせないわけではないが、時々痛みが強くなるし引っ掛かりは気になる。
【既往歴】右中指ばね指、変形性腰椎症
【現病歴】数年前から右中指にばね指の症状があり、近医整形外科を受診している。
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【現症】右中指中手指節間関節(以下MP関節)掌側に圧痛あり。近位指節間関節(以下PIP関節)を屈曲すると引っ掛かりと痛みを訴える。
【施術と結果】本症例は、数年前から右中指のばね指症状の増悪と緩解を繰り返しており、ばね指症状の要因は右前腕掌側から手部にかけての筋緊張と考え、触察したところ右前腕掌側の筋緊張および右中指MP関節周辺に筋硬結のようなものが確認された。
初めに右中指MP関節やや近位に約1分施術し筋弛緩を確認し、結果右中指PIP関節屈曲時の運動痛軽減が報告されたので同部位に約3分施術を行ったところ、引っ掛かりは残存したが右中指PIP関節屈曲時の運動痛10から4(NRS改変)となった。
次に右前腕掌側中央部に約1分施術し筋弛緩を確認し、結果右中指PIP関節屈曲時の引っ掛かり感の軽減がみられたので同部位に約3分施術したところ、引っ掛かりが消失し右中指PIP関節屈曲時の運動痛10から1(NRS改変)となった。
右前腕の筋緊張は腰部の筋緊張も要因となると考え、腰部を触察したところ両側の腰部脊柱起立筋周囲の筋緊張が確認されたため、第2,3腰椎高位の腰部右側面に約5分施術したところ、押圧深約1.5cmから2.0cmとなり、右中指PIP関節屈曲時の運動痛10から0(NRS改変)となった。
腰の施術で右手の症状が改善されて驚かれていた。