【患者】50代後半 女性
【主訴】口を開けると痛い。顎関節症かもしれない。
【既往歴】ー
【現病歴】4ヶ月ほど前から口を開けると左右両側の顎関節周辺に痛みが出はじめ、日に日に痛みで口が開けられなくなり、現在は2㎝程度しか口が開けられず、食事のたびに痛みを感じる。特に右側の顎関節周辺の痛み強く感じる。 4才時、高所から地面に顔面から落下し首を痛めた経験があり、そのために常に首が凝っている事が関係するのではないかと本人は訴えている。
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【現症】4ヶ月前より開口約2㎝で左右顎関節周辺に痛みが発生する。
頚部から僧帽筋上部周辺の筋緊張が強く、頚部関節可動域(以下、ROM)は自動で屈曲約60°、伸展約30°、頚部左回旋約40°、右回旋約30°。
【施術と結果】本症状は左右の顎関節周囲、咀嚼筋と思われる筋肉の筋緊張と頚部の筋緊張があるためと考え、初めに左右咀嚼筋周辺に緩消法約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、開口時の右顎関節周辺の痛みは10から4(NRS改変)と小さくなった。その結果、開口が約2㎝から約3.5㎝と大きくなった。
さらに頚部の緊張も訴えていたため触察したところ、左右の胸鎖乳突筋と思われる場所に筋緊張があることを確認したため、左右胸鎖乳突筋にそれぞれ約2分ずつ緩消法を行ったところ開口が更に約4.5㎝と大きくなった。
顎関節痛10から3(NRS改変)と小さくなった。頚部ROMは自動で伸展約40°、左右回旋約45°に改善した。頚部の筋緊張の要因が腰部の筋緊張にあると考え、腰部側面の筋肉に緩消法を約10分行い、筋弛緩を確認した。その結果、腰部側面の押圧深は約3.5㎝から約4.5㎝となった。