【患者】70代前半 女性
【主訴】首を右に曲げたら右側が痛い
【既往歴】変形性頚椎症
【現病歴】数年前から頚部屈曲にて右頚部に痛み。近医整形外科にて変形性頸椎症と診断され、リハビリに通うも痛みが改善しない。
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【現症】右頚部に痛みがあり、第4~第5頸椎の高さで頚部右後方の痛みが強い。
頚部関節可動域(以下、ROM)は自動で屈曲約60°・伸展約15°・左側屈約45°・右側屈約20°であり、特に伸展と右側屈のROM
が小さい。筋収縮時に頚部右後方に痛みが強い。
【施術と結果】本症例は、筋収縮時に頚部右後方に痛みが強いと訴えており、筋収縮時に痛みを訴えていることから、要因として右側屈時に訴える疼痛部位に癒着や筋硬結、さらに疼痛部位の周辺の筋緊張も考えられ、頚部の筋緊張の要因として腰部の筋緊張があると考えた。初めに右頚部の疼痛部位を触察したところ、約10mmほどの筋硬結と考えられるしこりを確認し、緩消法にて約40秒施術した結果、しこりが約5mmと小さくなったことを確認できた。
この時点で痛みを確認したところ、痛みが施術前の10から5(NRS改変)となり、頚部ROMは自動で伸展約30°・右側屈約30°となった。
次に、触察で疼痛部位の周辺の筋緊張を確認し、緩消法にて約40秒施術したところ、筋弛緩が確認でき、痛みが4(NRS改変)と小さくなり、頚部ROMは自動で伸展約40°・右側屈約40°まで大きくなった。
次に、第1腰椎付近の筋弛緩および肋骨に沿った部位の筋弛緩を進めると、痛みが施術前の10から2(NRS改変)と小さくなった。