入院中に悪化し痛みで1時間以上眠れない腰痛の改善一例
【患者】70代前半 男性
【主訴】腰が痛くて眠れない、上を向いて横になれない。
【既往歴】高血圧 前立腺肥大 不整脈 喘息
【現病歴】約30年前から慢性腰痛。10日前から前立腺肥大のために服用している薬を辞めるために1週間入院し前立腺に手術を行った。入院中は仰臥位の姿勢が多かったために腰痛が悪化してしまい、退院して3日間たっても痛みが変わらないため来院。
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【現症】腰部脊柱起立筋全体に痛みがあり、胸腰部前屈約40度、後屈約40度でともに痛みがあるが、特に前屈が痛い。日常生活に一番支障があるのが仰臥位になると腰部に痛みがでるため、毎日の就寝が辛く1時間以上痛みで眠れないと訴えていて、施術ベットに仰臥位になってもらうと約10秒で腰部全体に鈍痛が出現する。
【施術と結果】本症例は脊柱起立筋に痛みを訴えており、痛みの要因を脊柱起立筋の緊張と考え、さらに脊柱起立筋の緊張の要因を腰部側面の筋緊張と考え、腰部側面に緊張した筋肉を確認し、緩消法を約10分行い、腰部側面の筋弛緩を確認できた。
その結果、胸腰部後屈時の痛みが10から6(NRS改変)に小さくなり、前屈時の痛みが10から8(NRS改変)に小さくなった。次に仰臥位の際に出る腰部の痛みの要因として腹部の筋緊張と考え、腹部の筋緊張を確認し、腰椎3番から5番の高さ腰部正中から約13cmの場所周辺に緩消法を約15分行い、腹部の筋弛緩を確認できた。その結果、施術ベットに仰臥位なった際にでた腰部の痛みが消失した。
再び腰部側面に緩消法を約10分行い、さらに腰部側面の筋弛緩を確認できた。その結果、胸腰部後屈時の痛みが10から3(NRS改変)に小さくなり、前屈時の痛みが10から5(NRS改変)に小さくなった。
その後1回20分を3日間隔で5回の施術で、就寝時の痛みが消えて毎日5時間は眠れるようになった。