仕事で徐々に痛くなった右手関節痛の改善例

【現症】視診上、右手関節橈側に軽度腫れあり。発赤・皮下出血斑なし。自動運動においては、右手関節掌屈では痛み無く、背屈で手関節背側正中付近に痛みあり。また、右母指外転および母指伸展で手根中手関節（以下、CM関節）付近から手関節橈側（手背第1コンパートメント）付近に痛みあり。触診では、右手関節の背側正中付近に軽度圧痛、手関節橈側には強い圧痛があった。
【検査所見】単純レントゲン写真にて、手関節やCM関節の変形性関節症性変化なし。Finkelsteinテスト強陽性。
【治療と結果】まず、一番痛い動作を尋ねると、手関節自動背屈であったため、その時に一番痛みを感じる部分から緩消法を開始。触診上、手関節背側にある伸筋腱群の緊張が高かった。
　2～3分治療後、さっきと同じ動作をしてもらうと、その部分の痛みは10から0（NRS改変）になり、母指側が一番痛い部分に変わった。
　次に、母指側の痛い部分を尋ねると、母指自動外転および母指自動伸展時に共に手背第1コンパートメント上に痛みがあったため、その直上および周囲に緩消法実施。2～3分後、痛みが10から2（NRS改変）に小さくなった。
　その後、一番痛い部分がCM関節付近に変わったため、その付近の腱（長母指外転筋腱、短母指伸筋腱）および腱周囲に実施。その結果、痛みが10から5（NRS改変）へと小さくなった。