三週間前に開脚のストレッチをした際、発症した筋挫傷と思われる右股関節(鼠径部)痛とさらに5日後に後発した右下退部前面の筋緊張感に対する改善効果
【患者】50代前半 女性
【主訴】右の股関節の鈍い痛みと引っ掛かり感があり、脛もつっぱる感じがある。
【既往歴】腰痛症
【現病歴】3週間前に股関節の開脚のストレッチをした際に右股関節(鼠径部)に鈍い痛みを感じ、その5日後に右下腿部前面の筋緊張感も発症し、悪化傾向にある。
続きを読む
【現症】右股関節を90度以上屈曲時及び軽度開脚時、また右下肢荷重時に疼痛が発現する。時に椅坐位安静時にも疼痛あり。右下腿部の引脹感は歩行時に発現する。初見時は発症から既に3週間経過していた為、熱感や腫脹は無かったものの、発症機転や症状から筋挫傷が疑われると考えた。既往症として腰痛症がある為、腰部を触察すると下部腰椎周辺の筋緊張が著名であった。右上前腸骨棘内縁の筋緊張も確認できた。
【検査所見】-
【施術と結果】本症例の右股関節(鼠径部)痛は、発症機転と症状から鼠径部の筋挫傷が疑われる為、受傷後三週間は経過しているとはいえ、直接挫傷部に対しての施術は再受傷するリスクを考えて行わず、慢性的な股関節痛が起こると考えられている右上前腸骨棘内縁の筋緊張部位に緩消法を約1分行い、筋弛緩を確認した。
その結果、右下退部前面の引張感は消失した。右股関節(鼠径部)の疼痛は右下肢荷重時が10から7(NRS改変)になる。右股関節屈曲時の疼痛は消失する。次に右上前腸骨棘内縁部分の筋緊張の要因だと思われる右腰部の筋緊張部位に腰部側面から正中に向かって緩消法を約30分行った。筋弛緩を確認し押圧深4cmになり右股関節(鼠径部)の疼痛は10から5(NRS改変)に減少した。
右股関節開脚時の疼痛は残存するも、荷重時の疼痛は消失した。