カテゴリー: 佐々木裕江の症例報告

【現症】安静時痛無し。右肩関節可動域（以下、ROM）は自動で外転約90°で右大円筋、右広背筋付近に痛みが発生。
【施術と結果】本症例は、約3年前より右肩関節外転動作で右肩関節背側に痛みを訴えており、目視及び触察により同箇所に熱感や腫脹がないと感じられた為、
　一つの要因として右大円筋、右広背筋周辺の筋緊張よる血行不良が痛みの要因と考えた。右肩関節背側の筋緊張の要因として腰部の筋緊張が考えられた為、触察にて腰部の第12肋骨先端付近の筋緊張を確認し、緩消法を約3分行い筋弛緩を確認した。
　結果、痛みは10から6（NRS改変）となり、右肩ROMは自動で外転約130°と大きくなった。続けて第12肋骨先端付近から下方へ約2cmの部位を触察にて、筋緊張を確認し緩消法を約10分施術した結果、痛みは10から2（NRS改変）となり、右肩ROMは自動で外転約160°と大きくなった。主観にて肩が楽になって腕が動かしやすくなったと報告を受けた。

【現症】頚部の安静時痛はないが、頚部の右回旋時に頚部左側第2頚椎〜第4頚椎（以下C2〜C4）高位後頚部辺りに運動痛があり可動制限も現存する。頚部関節可動域（以下、ＲＯＭ）は自動運動にて頚部右回旋時に約20°で痛みが出現し、痛みによるＲＯＭ制限有り。
【施術と結果】本症例は約1年前の交通事故による鞭打ち症から続く頚部痛を訴えており、目視及び触察により熱感や腫脹が感じられなかった事から頚部に於ける回旋時の運動痛は頚部の筋緊張による血行不良が要因であろうと考えた。
　痛みを訴える頚部左側C２〜C４高位後頚部辺りの筋を触察し筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、頚部右回旋時の頚部左側後頚部の痛みは10から6(NRS改変)になり、ＲＯＭは自動運動にて頚部右側に約25°と大きくなった。触察により約5mm程の筋硬結の様なものを確認し、更に同部位に緩消法を約2分行い、約5 mm程の筋硬結のようなものが約2mm程度に減少した。その結果、頚部右回旋時の頚部左側後頚部の痛みは10から３(NRS改変)になり、ＲＯＭは自動運動にて頚部右側に約30°と大きくなった。
　更に残存する筋硬結の様なものに緩消法を約２分行い、筋硬結の様なものの消失を確認した。その結果、痛みは10から0(NRS改変)になった。ＲＯＭは自動運動にて頚部右側に約50°と大きくなった。以前まで治療院に通院するも改善は見られなかったが、緩消法により短時間で可動域と痛みの改善が見られ驚いた様子で大変喜ばれた。

【現症】可動域制限はないが、左右膝関節共に伸展時に膝蓋骨周辺の痛みが発現し、歩行時痛がある。
【施術と結果】本症例は約2年前より左右膝関節共、伸展時に膝蓋骨周辺に痛みを訴えており、目視及び触察により同箇所に熱感や腫脹がないと感じられた為、痛みの要因は大腿四頭筋辺りの筋緊張による血行不良であると考えた。
　先ず、大腿四頭筋の筋緊張を触察により確認し、上前腸骨棘周辺の筋緊張が大腿四頭筋の筋緊張を誘発すると考えられたため、上前腸骨棘周辺の筋緊張を触察により確認した。
　筋緊張を確認した上前腸骨棘周辺に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、痛みが10から6(NRS改変)になった。続けて同部位に緩消法を約5分行い、筋弛緩を確認した。その結果、痛みは10から0(NRS改変)になった。長年悩んできた膝痛がなく歩けるのは嬉しいとの報告を受けた。

【現症】関節可動域(以下ROM) は自動運動にて右手関節背屈約50°により右橈骨手根関節背側部に痛みが出現し、痛みによるＲＯＭ制限有り。掌屈によるＲＯＭ制限・運動痛は無し。
【施術と結果】本症例は右手関節背屈動作時に痛みを訴えており、触察により熱感や腫脹はないことを確認し、要因として右前腕伸筋群の筋緊張と考え、触察にて右前腕伸筋群遠位部１／３付近に筋硬結のような塊状ものを確認し、緩消法にて約1分弛緩した結果、背屈時の痛みは10から3（NRS改変）となった。
　筋硬結のような塊状は小さくなったが、つっぱり感と右手関節の可動域は変化なし。つっぱり感と可動域に変化が無いことから、他部位の筋緊張が要因となっていることを考えたため、再度触察にて確認したところ、先に施術した部位の約3cm近位に筋硬結のような塊状を確認し、緩消法にて約2分弛緩した結果、塊状が消失したことを確認できた。結果、右手関節背屈時の痛みは10から0 （NRS改変）となり、引張感は10から0となった。右手関節背屈約70°と可動域が大きくなった。
　主観として痛みと引張感がなく可動域も大きくなりハンドル操作が楽になると喜んで頂いた。