【患者】30代前半 男性
【主訴】仕事でパソコン作業が多いせいか、4~5年前から右の首から肩にかけてちょっと痛いなと思っていたが、最近は首から腕にかけて痺れのような感覚も出てきた。
【既往歴】-
【現病歴】4年以上前に、頚部右側から右肩関節周辺にかけて軽度の安静時痛が生じるようになった。症状は年々増悪し、最近では頚部右側から右上腕部にかけて痺れのような感覚が発現。約3ヶ月前に近医整形外科を受診し、頚椎の弯曲が歪んでおり治すには手術しかないと診断を受けた。
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【現症】頚部右側から右上腕部にかけて安静時痛有り。右上腕部後面には痺れも有り。右肩関節可動域(以下、ROM)は自動で外転約170°と軽度のROM制限を確認。
【施術と結果】本症例は、誘因無く頚部右側から右上腕部に痛みと痺れが生じており、目視と触察により腫脹や熱感が確認できないことから、頚部右側から右上腕部の筋緊張が要因と考えた。
先ず、右肩関節周辺を触察したところ右大円筋周辺に筋緊張を確認した為、緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認。結果、頚部右側から右上腕部にかけての安静時痛が10から7(NRS改変)と小さくなり、右肩ROMは自動で外転約180°と大きくなり、日常生活上のROM制限は確認できなくなった。また、主観により右上腕部後面の痺れが約5割減少したと報告を受けた。
次に、安静時に最も痛みを感じる部位を示してもらったところ、右肩甲骨上角周辺を示した為、緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した。結果、頚部右側から右上腕部にかけての安静時痛が10から4(NRS改変)と小さくなった。改善が見られた為、続けて同部位周辺の筋緊張部位に緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認。結果、頚部右側から右上腕部にかけての安静時痛が10から0(NRS改変)と消失し、主観により右上腕部後面の痺れも消失したものの右肩関節周辺の倦怠感は残存していると報告を受けた。
右肩関節周辺の筋緊張の要因は腰部にあると考え、腰部を触察したところ筋緊張を確認した為、緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認。結果、主観により右肩関節周辺の倦怠感は消失したと報告を受けた。
「肩の痛みの原因が腰にあるから今まで治らなかったのか」とすっきりした様子でお帰りいただいた。