【患者】70代後半、女性
【主訴】麻痺のせいか、歩く時に力が入りにくくふらつく。
【既往歴】脳内出血(約15年前)
【現病歴】上記既往歴以降、右上下肢には不全麻痺が残存している。下肢に関しては、歩行時に、右は左と比し力が入りにくい感じがあり、ふらつくとのこと。
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【現症】歩行時、右下肢は立脚期全般において、右鼠径部から大腿前面にかけて脱力感を感じふらつく歩容不安定な状態。
【検査結果】右下肢の徒手筋力テストは概ね4レベル。
【施術と結果】本症例は、15年前の脳内出血により不全麻痺が発生したため、その麻痺の継続により筋拘縮が発生し、歩行時の脱力感を生じさせているのではないかと考えた。右鼠径部から大腿前面の脱力感と言う事で、まずは鼠径部と繋がる右上前腸骨棘付近にある筋腱群(以下、部位A)の筋拘縮を疑った。触察にて、部位Aには筋拘縮によると思われる筋緊張亢進部分を確認したため、そこを施術開始部位とした。
まず施術者①が施術。開始から約1分半で部位Aの筋弛緩を確認。歩行立脚期の力の入り具合は主観で1割増になったと報告を受けた。変化がみられた事から、同部位への施術を継続する事とした。
次に施術者②が施術。開始から約3分で部位Aの更なる筋弛緩を確認。歩行立脚期の力の入り具合は開始前と比較して、主観で3割増になったと報告を受けた。この時点で、他の症状の改善を望まれた為、本症状への施術は終了となった。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉②秦の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者②が行った。