【患者】60代前半 男性
【主訴】右側の肩から腕が痛くて指先まで痺れる。
【既往歴】ー
【現病歴】約2ヶ月前に誘因なく右肩甲骨内側縁付近に痛みが発生した。最初は左側だったが右側に移ってきた。
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【現症】右肩甲骨内側縁から右上腕に痛みがあり、安静時や夜間痛がある。右上腕の前方挙上約90°で背部から上肢にかけて引き攣るような痛みが走る。右第二指に痺れを感じている。
【施術と結果】本症例は右肩甲骨内側縁を中心に上腕周辺まで痛みがあり、最初は左側の同部位で痛みが発生し、次第に右側に移っていった。主訴であり安静時も痛みがある右肩甲骨内側縁の周辺に押圧痛はなく、同側の第二指に痺れを感じている事から、痛みの要因は右腰部、特に脊柱起立筋の筋緊張から起こる、肩甲骨周辺の筋緊張及び、血行不良であると考えた。
先ず左肩甲骨内側周辺の痛みを軽減させる事を目的として、第12肋骨高位、正中から約7cm外側の肋骨下部の筋緊張を緩消法で約2分かけて弛緩させた結果、左肩甲骨内側の痛みは10から9(NRS改変)と減少した。施術者として期待した程の変化ではなかったため、次に第一腰椎高位の脊柱起立筋を約10分かけて直接弛緩させたところ右肩甲骨内側縁から上腕周辺までの上腕の前方挙上で発生する痛みは10から5(NRS改変)と減少した。本人曰わく、びきっと響くような痛みが無くなって動きやすくなったと、喜んで頂いた。