【患者】70代前半 女性
【主訴】手術をしたけど痛みが変わらない腰痛をなんとかしてほしい。
【既往歴】すべり症
【現病歴】約20年前から特に誘因なく腰痛が発現し徐々に悪化してきた。近医整形外科で3ヶ月前に椎間板を補強する手術を受けたが変化はなく、知人の紹介で来院された。
続きを読む
【現症】安静時痛はなく、就寝中は痛くないが仕事中は椅子に座る時間が長い為、引張感は自覚する。騎座位からの立ち上がり動作時に胸腰部伸展がしずらく、立位保持や5分以上の歩行で痛みが顕著に現れる。下部腰椎周辺の痛みが著明である。
【施術と結果】本症例は約20年続く腰痛を訴えており、3ヶ月程前に手術も行っているが、痛みを訴える下部腰椎周辺を目視及び触察するも腫脹や熱感は確認出来なかった為、筋緊張による血行不良が要因であろうと考えた。
痛みを訴える下部腰椎周辺の痛みは深層部の筋弛緩をする必要があり、ある程度施術時間を要する為、先ずは騎座位での腰部の引張感と立ち上がり動作時の症状改善を目的とし、腰部真横の筋弛緩をする事とした。
第3第4腰椎辺りの高位を腰部真横から正中に向かって約3分行い筋弛緩を確認した。その結果、主観で騎座位での腰部引張感は消失したとの報告を受けた。
次に立ち上がり動作時の痛みも10から5(NRS改変)と改善した。効果が認められた為、引き続き同部位並びに範囲をやや後方に広げ約15分行い筋弛緩を確認した。
その結果、騎座位からの立ち上がり動作時の痛みは10から0(NRS改変)と消失し、更に胸腰部伸展動作もスムーズにできる様になった。また、施術室内での歩行は短時間ではあったが、痛みがなく軽くなったと笑顔の報告であった。