【患者】30代前半 女性
【主訴】パソコン作業が多く、いつも肩こりで、重だるい。
【既往歴】―
【現病歴】約10年前に仕事をするようになって依頼、長時間のパソコン作業により慢性的な肩こりがある。痛みが増悪するときはマッサージや指圧などを利用してきた。右手でマウス操作をするため、特に右肩が凝っている。
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【現症】頚部伸展時に後頚部右側周辺に痛みが出現。両肩上部に鈍痛あり。日常生活上の肩関節及び頚部可動域制限は確認できなかった。
【施術と結果】本症例は、頚部伸展時に後頚部右側周辺に痛みが出現することと、両肩上部に鈍痛があり、また、目視及び触察にて痛みを訴える部位の皮下出血や腫脹及び熱感が感じられないことから、後頚部右側周辺及び肩周辺の筋緊張による血行不良が肩こりの要因と考えた。
はじめに、頚部伸展時に痛みが出現する後頚部右側周辺を触察したところ、筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した結果、後頚部右側周辺の痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
次に、右肩上部周辺の最も痛みを感じる部位を指1本で示して頂き、同部位の筋緊張部位に緩消法を約3分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩上部周辺の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約5分施術し筋弛緩を確認した結果、右肩上部周辺の痛みが10から2(NRS改変)と小さくなり、主観で右肩が軽くなったとの報告を受けた。
次に、腰部筋群の筋緊張により肋骨が下方へ引っ張られることが要因で肩周辺の筋緊張を誘発していると考え触察したところ、第2腰椎棘突起より左右外方約6cmの脊柱起立筋周辺に筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を約5分施術し筋弛緩を確認した結果、肩こり症状が主観で8割減と報告を受けた。
次に、後頚部右側周辺及び肩周辺の筋緊張の要因として、腰部の筋緊張が考えられることを説明し、再発抑制を目的として腰部両側面に施術を移行した。腰部両側面の筋緊張を確認し、緩消法を約30 分施術し筋弛緩を確認した。腰部両側面を施術後、肩周辺を触察すると筋弛緩を確認できた。慢性的な肩こりがなくなり、喜んで頂けた。