歩行に松葉杖が必要なほどの右下肢の痛みを伴う腰痛の改善例

【現症】右大腿部を中心とした右脚全体に筋力低下を認める。右大腿部前面に痛みが有り、特に右膝蓋骨上部内側付近と右大腿直筋近位部付近の痛みが強い。右下腿部外側に痺れ、内側にやや感覚鈍麻有り。左腰部の上後腸骨棘付近に安静時痛有り。腰部側面の押圧深は約2.5cm。
【施術と結果】本症例は、腰椎椎間板ヘルニア手術歴が有ることと、右下肢全体の症状と腰痛を訴えていることから、腰部の筋緊張が右下肢の症状の要因と考えた。
　先ず右大腿部前面の痛みを改善する為、特に痛みの強い右膝蓋骨上部内側付近と右大腿直筋近位部付近の疼痛部位に緩消法を合計約5分施術し筋弛緩を確認した結果、右大腿部前面の痛みは10から5（NRS改変）と小さくなった。
　次に腰部の筋を弛緩する為触察したところ、L3～L4高位で棘突起から左外側へ約2cmの部位に筋緊張を確認した為、緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部の上後腸骨棘付近の痛みが10から6（NRS改変）と小さくなった。
　更に腰部全体の筋緊張を弛緩する為、腰部側面に緩消法を約20分施術した結果、押圧深は約2.5cmから約3.5cmと大きくなり、主観で右下腿部外側の痺れは約5割減少したとの報告を受けた。
　また、主観で歩行時にも力が入りやすくなったと報告を受け、1週間後の再来院時には松葉杖無しで歩行が可能になっていた。