【患者】10代前半 男性
【主訴】2年くらい前から歩いていても両膝が痛く、野球でもスライディングが出来ない。
【現病歴】2年程前の小学6年生時に少年野球をやっていた時期より、誘因なく左脛骨粗面周辺の痛みが発症し、その2ヶ月後に右膝の脛骨粗面周辺の痛みが同様に発症。成長痛だと諦めて、中学の野球部に入部し、それなりに運動をしていたが、思うようなパフォーマンスが出来ず、痛み無く野球が出来るようになりたいと緩消法の事を知り、当院に来院された。
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【現症】痛みを訴える部位は左右の脛骨粗面周辺である。触察と目視により脛骨粗面の膨隆と圧痛はあるが、脛骨粗面周辺に腫脹や熱感はないと思われた。
歩行痛が左右膝部にあり、特に左膝痛が強い。正座は可能であるが痛みはあり、蹲踞時の動作痛がある。
【施術と結果】本症例は左右脛骨粗面周辺に痛みを訴えているが、発症機転や触察により、腫脹や熱感を感じられなかった為、外傷性ではなく、大腿部周辺の筋緊張による牽引痛であると判断した。
先ずは触察により、大腿部前面の筋緊張を確認した。次に大腿部前面の筋緊張の要因であると思われる上前腸骨棘内縁の筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、左膝は歩行時痛が10から6(NRS改変)になり、蹲踞時の動作痛が10から7(NRS改変)になった。右膝は歩行時痛及び蹲踞時の動作時痛が10から2(NRS改変)になった。次に痛みを訴える脛骨粗面周辺の筋緊張部位に左右共、約1分緩消法を行い、筋弛緩を確認し、左膝が歩行時痛及び蹲踞時の動作痛は10から3(NRS改変)になった。
右膝は歩行時痛及び蹲踞時の動作痛共、10から0(NRS改変)になった。
最後に大腿部前面の筋緊張の要因であると思われる腰部全体の筋緊張を確認し、第2.第3腰椎高位の筋緊張部位に腰部側面から正中に向かって緩消法を約20分行い、筋弛緩を確認し、押圧深が左右共、約4cmになった。その結果、左膝の歩行時痛は10から0(NRS改変)になり、蹲踞時の動作痛は10から1(NRS改変)になった。
約2年ぶりに歩行時痛がなくなり、親御さん共々、大変喜んで感謝されました。