【患者】20代前半 男性
【主訴】今朝仕事中に特に何かをしたわけじゃ無いのに突然腰が痛くなって歩くのも辛い
【既往歴】-
【現病歴】約2年前に急性腰痛が発生したが約1週間程度で寛解した。その後腰部に痛みや倦怠感などは全く無い状態が続いたが、今朝仕事中に特に誘因なく急性腰痛が発症した。
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【現症】胸腰部屈曲で第5腰椎棘突起周辺に痛みが発生する。歩行時に強い痛みがあり、約0.5キロの距離を歩くのに通常の5倍以上時間がかかる。安静時には腰部全体に鈍痛が有る。患部の押圧による痛みは感じない。
【施術と結果】本症例は、誘因がない急性腰痛であり、患部周辺に腫脹や熱感が感じられない事から、腰部の筋緊張が痛みの要因と考えた。2年前にも同じような急性腰痛を経験しており、痛む箇所も同じであることから第3から第5腰椎高位の脊柱起立筋付近に硬結があり、その周辺の筋緊張を起こしたことによる痛みであると推測した。
先ず、腰部側面から正中方向に向かって緩消法を約5分施術し、開始前より腰部押圧深が1cm以上深く入るようになったことを確認した結果、座位での安静時痛は10から4(NRS改変)と小さくなったが、立位での胸腰部屈曲動作による痛みは変化が無かった。なので、場所を変えて痛みを感じている箇所周辺を直接緩消法で弛緩させていき約5分施術をしたところ、立位での胸腰部屈曲動作による痛みは10から7(NRS改変)と改善がみられた。続けて合計で約30分間、腰部側面と第4、第5腰椎高位の筋緊張を弛緩させた結果、胸腰部屈曲動作での痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。
動く時の角度によってはまだ痛みは残っているが、歩行は通常通りの速さで出来るようになったので、とりあえず安心したと喜んで頂いた様子だった。