【主訴】歩く時や後ろに反らすと腰が痛い
【既往歴】両変形性膝関節症もあり、近医整形外科に通院中。
【現病歴】4~5年前から、腰の違和感が出現。約3年前に腰痛が出現し、近医整形外科を受診。レントゲンにて腰椎すべり症、MRIにて腰部脊柱管狭窄症の診断を受け、血流改善薬(リマプロストアルファデクス)の処方があった。内服薬は効果が無く、また、整形外科的なリハビリや整体にも通ったが、痛みはなかなか改善しないまま本日に至っている。
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【現症】歩行時と、立位胸腰部後屈時に腰部(第3~5腰椎高位)に痛みあり。日常生活では、特に、立位胸腰部後屈時の痛みが気になるとのこと。痛みを感じる腰部両側の後外側部分は、触診にて筋緊張が強かった。小指押圧深は、疼痛部位が左右とも1cm。腰部側面は両側3cm。また、歩行していると、両臀部から両大腿後面にかけて痺れ感が出たり、両足底にだるさを感じるとのこと。立位胸腰部可動域(以下、ROM)は、最大後屈10°で痛みあり。ちなみに、前屈ROMは、指尖床間距離(finger floor distance:FFD)が0cmで痛み無し。
【検査所見】下肢腱反射異常なし
【治療と結果】まず、痛みのある腰部後面から緩消法を実施。約5分実施後、立位胸腰部最大後屈時の痛みは10から8(NRS改変)へと小さくなった。
痛みが減ったのを体感してもらったため、痛みが無い腰部側面の筋緊張も関連があることを説明し、腰部側面と痛みのある部位どちらにも実施。約25分後、立位胸腰部ROM最大後屈35°に改善。痛みも8から更に5(NRS改変)へと小さくなった。
筋緊張は軽減しており、小指押圧深は、腰部両側面3.5cm、疼痛部位1.5cmへと変化した。歩行時に出現する下肢症状に関しては、本日は評価できなかった。
【考察】初回治療で、痛みを半減させることができた。麻痺症状が無いため、この治療を継続することにより、手術を回避できる可能性があると思われる。