【患者】50代前半 男性
【主訴】整形外科で五十肩って言われた肩の痛みが良くならないので診てほしい。
【既往歴】ー
【現病歴】約3ヶ月前に息子さんとキャッチボールをした際に右肩に痛みを感じた。経過観察をしていたが改善しなかった為、近医整形外科を受診。五十肩の診断を受け、痛み止め、ヒアルロン酸の注射を打ちリハビリにも通院した。ご近所にお住まいの方で相談を受け来院された。
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【現症】安静時はなく、痛みは運動痛が主観として右肩関節の深部に発現する。痛みが発現する動作は主に挙上時、外旋時、水平外転、水平内転時、結帯動作時である。明らかな関節可動域制限は認められないが、投球動作は痛みの為、不可である。
【施術と結果】本症例は右肩関節の運動痛を訴えているが、安静時痛がなく、発症から約3ヶ月経過し、触察により右肩関節に熱感や腫脹が確認できなかった為、筋緊張による血行不良と考えた。
先ずは結帯動作痛及び挙上痛の要因として肩甲下筋の筋緊張であろうと考え、触察により筋緊張を確認した。肩甲下筋であろう筋緊張部位に緩消法を約3分行い筋弛緩を確認した。その結果、結帯動作の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなり、挙上痛が10から0(NRS改変)と消失した。
効果が認められた為、更に同部位に約5分行い筋弛緩を確認した。その結果、結帯動作痛は10から0(NRS改変)と消失した。次に肩関節外旋痛の要因として棘上筋と棘下筋の筋緊張と考え、触察すると明らかに棘下筋の筋緊張が著明であった為、同部位に緩消法を行った結果、上腕骨大結節から近位約10cmの箇所に筋線維の伸縮がスムーズにできない癒着を触察により確認した。同箇所に緩消法を約5分行った結果、癒着が消失し筋の伸縮がスムーズになったと確認できた。
その結果、右肩関節外旋痛は10から2(NRS改変)となり、投球動作ができるようになり、腕を回す動作をして笑顔での報告を受けた。更に痛みの改善を目指して棘下筋周辺の筋弛緩及び棘上筋周辺筋緊張を触察によりが確認し、筋弛緩を行ったがそれ以上の変化は認められなかった。その後は完治の為には腰部の筋弛緩が重要と考え、触察により腰部の筋緊張を確認し、腰部真横から約20分行い筋弛緩を確認し終了した。
その結果、右肩関節挙上が、よりし易くなったとの報告を受けた。多少の痛みは残存するものの、一度の施術で投球動作が出来るようになり満足された様子でした。