【患者】40代前半 女性
【主訴】首を右に倒したり右に回すと痛い。
【既往歴】―
【現病歴】2日前の起床時から右鎖骨周辺に寝違えによるものと思われる痛みが発生。
続きを読む
【現症】頚部自動ROMは、左右側屈約15°・右回旋約40°・左回旋約60°で、共に胸鎖乳突筋の起始部である右鎖骨近位1/3周辺に限局した痛みが出現。
【施術と結果】本症例は、目視及び触察にて痛みを訴える部位の皮下出血や腫脹及び熱感が感じられず、筋収縮の際に可動域制限を伴うことから、右鎖骨周辺の筋の癒着が要因と考えた。
はじめに、筋収縮時に限局した痛みが出現する右鎖骨近位1/3周辺の筋緊張部位に緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した結果、右鎖骨近位1/3周辺の痛みが10から8(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に約2分施術し筋弛緩を確認した結果、右鎖骨近位1/3周辺の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなり、頚部自動ROMは左右側屈約30°・右回旋約50°と大きくなった。先程と同様に筋緊張の確認と施術を繰り返し、緩消法にて約2分施術を合計3回行い、その都度筋弛緩を確認した結果、右鎖骨近位1/3周辺の痛みが10から0(NRS改変)と消失し、日常生活上の頚部ROM制限は確認できなくなった。
痛みの発生時には神経に異常があるのではないかと不安に思っていたが、痛みが消失しROM制限も確認出来なくなったことから、自由に首が動かせると大変喜んで頂けた。