【患者】70代後半 女性
【主訴】左の首が痛い。何もしなくてもときどき痛みが強くなる。
【既往歴】変形性頚椎症・変形性腰椎症
【現病歴】何年も前から頚部左側に違和感を覚えていたが、1週間ほど前から頚部左側に痛みが出現し残存している。
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【現症】頚部自動関節可動域(以下、ROM)左側屈約40°または右側屈約30°で頚部左側から左肩甲骨上角周辺にかけて運動痛あり。
【施術と結果】本症例は、特に誘因なく1週間ほど前から頚部左側から左肩甲骨上角周辺に運動痛を訴えており、その要因は患部周辺の筋緊張と考えて触察したところ、第5頚椎棘突起から左に約5cmの部位および左肩甲骨上角周辺に筋緊張が確認された。
はじめに、最も強い運動痛を訴える左肩甲骨上角周辺に約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果、頚部ROM左側屈約40°における運動痛は10から0(NRS改変)と消失し、頚部ROM右側屈約30°における運動痛は10から8(NRS改変)となった。引き続き、同部位周辺に約3分施術し筋弛緩を確認したが症状に変化がみられなかったため、施術部位を頚部左側の筋緊張部位に変更し、約1分施術し筋弛緩を確認した。その結果、頚部ROM右側屈約30°における運動痛は10から6(NRS改変)となった。引き続き、同部位に約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果、頚部ROM右側屈約30°における運動痛は10から5(NRS改変)となった。
十分な筋弛緩を確認したが変化が少なかったため、頚部左側の運動痛の要因は腰部の筋緊張と考えて腰部を触察したところ、第2腰椎棘突起から左に約8cmの部位に筋緊張が確認されたため、同部位に約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果、頚部ROM右側屈約30°における運動痛は10から3(NRS改変)となった。引き続き、同部位周辺に約5分施術し筋弛緩を確認した。その結果、頚部ROM右側屈約30°における運動痛は10から1(NRS改変)となり、頚部ROMは左側屈約55°・右側屈約45°まで広がった。
「来たときよりとても楽になった」と喜ばれていた。