【患者】40代後半 男性
【主訴】昨日仕事で長時間座っていたら、立った時に腰がピキッとなってそれから座れなくなり、仕事を早退して帰宅後ベッドに寝るのにも数時間かかるほどだった。今も動こうとすると腰がピキッとなる。
【既往歴】-
【現病歴】昨日長時間の座位姿勢から起立した際に腰部に激痛が走り、以降激しい運動痛が生じる。安静時にも腰部に鈍痛有り。長期に亘り腰部に慢性痛が有り、ぎっくり腰を何度も繰り返していた。4日前と2日前に歯科医に行っており、2日前の施術時に椅子を倒された時に胸腰部が伸展する姿勢となり腰部に痛みを感じていた。
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【現症】腰部全体に安静時痛有り。第4腰椎(以下、L4)棘突起から約7cm右外側に激しい運動痛が生じる。
【施術と結果】本症例は、長時間の座位からの起立時に腰部に激痛が発生しており、来院時には目視と触察により腫脹や熱感が確認できないことから、腰部の筋緊張が痛みの要因と考えた。
先ず、腰部全体の筋緊張の要因と考えられる腰部側面を触察したところ強い筋緊張を確認した。腰部側面から緩消法の施術を開始したが、胸腰部右側屈動作でL4棘突起から約7cm右外側に運動痛が生じた為、痛みのない範囲で胸腰部左右側屈動作をしてもらい筋弛緩をした結果、約10分経過する頃には胸腰部右側屈動作で運動痛が生じなくなった。この時点で腰部の安静時痛は10から5(NRS改変)と小さくなった。改善が見られた為、続けて同部位周辺に緩消法を約20分施術し筋弛緩を確認した結果、腰部の安静時痛は10から0(NRS改変)と消失した。主観により、胸腰部屈曲動作にはまだ不安があるが、それ以外では運動痛は生じなくなったと報告を受けた。
翌日来院された際には、「一昨日は寝るのに何時間もかかったが、昨日は5分もかからなかった」と喜びの報告を受けた。