3週間前からの違和感から悪化し屈曲制限が現れた左膝の改善例

【現症】安静時痛はなく、歩行痛も認められない。騎座位でも症状はない。症状が発現するのは蹲踞時、及び正座時であり強く引張感が発現する為、動作困難である。引張感の発現部位は左大腿部前面から左膝蓋骨上部までの範囲である。蹲踞時の左膝関節の関節可動域(以下、ROM)は自動で屈曲約80°であった。正座時の左膝関節のROMは自動で屈曲約110°であった。
【施術と結果】本症例は左膝関節の屈曲制限を訴えているが、安静時痛がなく、通常の歩行時痛もない事から外傷性ではなく、大腿部前面伸筋群の筋緊張によるものではないかと考え、触察すると筋緊張が確認できた。
　 先ず大腿部の伸筋群を弛緩させる為に左上前腸骨棘周辺を触察すると筋緊張が確認できた為、同部位に緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、蹲踞を試みていただくと、ご本人の主観で引張感は残存すものの蹲踞が可能になった。次に正座を試みていただくと左膝関節のROMは自動で屈曲約130°となった。
　 効果が認められた為、左上前腸骨棘周辺の筋緊張の根本的な要因として考える左腰部側面と真横から2横指前方までの範囲の腰部の筋緊張を触察により確認し、約20分緩消法により筋弛緩した。その結果、蹲踞時の左大腿部から膝蓋骨上部における引張感は消失した。また、正座時の左膝関節のROM制限は消失し、正座が可能になった。
　 正座時に左大腿部前面から膝蓋骨上部までの引張感が主観で10段階の2程度残存するが、大分楽になったと帰路につかれました。