【患者】70代前半 女性
【主訴】昨日、急に左股関節が痛くなり、まともに歩けない。
【既往歴】脊柱管狭窄症(約2ヶ月前)、側弯症
【現病歴】数年前から右股関節に違和感があった、運動時に痛みがある程度だったため経過観察をしていた。約2ヶ月前に右股関節の痛みが強くなり近医整形外科を受診した結果、脊柱管狭窄症の診断を受け痛み止めの薬を服用中。約2週間前から夜間痛が激しくなり寝ることが出来なくなった為、別の整形外科を受診したところ右股関節に問題があると指摘される。昨日、急に左股関節が痛くなり歩行困難になる。
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【現症】胸腰部関節可動域(以下、ROM)伸展-約20°で痛みの為制限あり。左下肢への荷重時に左鼡径部の痛みのため跛行を呈する。
【施術と結果】本症例は数年前からの右股関節痛や側弯症の既往がある事から、痛みの要因は腰部を含めた広範囲の筋緊張による血行不良と推察し触察すると、腰部、背部、股関節周辺において筋緊張を確認した。
腰部全体の筋緊張は腰部側面の筋緊張が要因だと考え腰部側面の押圧深を計測すると左約2.0cm・右約2.5㎝であった。同部位に対し緩消法にて約3分施術し筋弛緩を感じたため痛みを確認した結果、胸腰部ROMは伸展-約10°と大きくなった。
症状の変化があった事と筋緊張が残存していることから引き続き同部位に対し約20分施術した結果、押圧深は左約4.0cm・右約4.5㎝と弛緩を確認し、痛みは10から5(NRS改変)となり跛行は消失した。
次に仰臥位にて左鼡径部周辺の筋緊張に対して筋弛緩を確認できるまで約15分施術した結果、痛みは10から0(NRS改変)と消失した。「痛みは筋の緊張が原因なんですね」と原因を知る事ができて安心している様子で帰路につかれた。