【患者】30代前半 女性
【主訴】恥骨の痛み、刺すようなビリッとした痛み
【既往歴】ー
【現病歴】一日前の朝、子供(約15㎏)を抱き上げた時に恥骨周辺に発痛した、保育園に送りに行ったときまではまだ痛みを感じながらも歩行は可能だったが、車に戻ったときから動作時痛が出始めた。産院に相談したところ、整体などに行くように言われ、電話をしていたが何処も断られ、当院に連絡が入った。電話にて症状を伺うと、鼠径部、下肢の筋緊張であれば寛解の可能性があることをお伝えし、ご本人了承の上、ご来院された。
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【現症】体勢を変えるときに動作時痛があり、起立、着座動作時、椅坐位での左大腿の挙上時に恥骨上縁部に発痛する。動揺性歩行がみられた。
【施術と結果】本症例は、子供(約15㎏)を抱き上げた際に発症した恥骨上縁部の痛みを訴えており、妊娠第38週であること、一日経過していても陣痛など出産に関連する様子はみられないことと、起因から、痛みの要因は、筋緊張による血行不良と推測した。
痛みを訴える恥骨上縁のみを触察すると、自覚症状では恥骨上縁左側であったが、恥骨上縁右側に縦約15mm、横約25mm大のしこりの様な筋緊張を確認した。右股関節可動域(以下、ROM)他動、屈曲約95°で恥骨上縁の筋緊張部位に発痛。左股関節ROM、他動、屈曲時は約125°で発痛は確認できなかった。
先ず、恥骨上縁右側の筋緊張部位に約1分施術し、しこりが縦約15mm、横約20mm大に小さくなったことを確認した。結果、痛みは10から7(NRS改変)となった為、続けて同部位にしこりが解消するまで約5分施術を行った結果、右股関節ROM、他動、屈曲約125°まで可能となり、痛みも10から0と消失した。起立、着座、歩行動作をそれぞれ確認していただくと、いずれも発痛は無くなった。
ご来院時は動揺性歩行がみられたが、通常歩行が可能になっていた。痛みを抱えたまま出産を迎えるのではと心配だったので安心したと仰られてお帰りになられました。