【患者】90代後半 女性
【主訴】顎の痛みで口が開けづらく大きい物が食べにくい。
【既往歴】―
【現病歴】両顎関節周辺の痛みによる開口制限あり。
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【現症】約3cm開口で両顎関節周辺に痛みを発症。安静時痛なし。
【施術と結果】本症例は、開口時に両顎関節周辺の痛みを訴えており、目視及び触察にて痛みを訴える部位の皮下出血や腫脹及び熱感が感じられないことから、両顎関節周辺の筋緊張が痛みの要因と考えた。
はじめに、開口時に最も痛みを訴える両顎関節周辺を触察したところ筋緊張を確認したため、緩消法を左右同時に約2分施術し、筋弛緩を確認した。結果、開口時の両顎関節周辺の痛みは10から5(NRS改変)と小さくなった。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に、左右同時に約2分施術し、筋弛緩を確認した結果、10から3(NRS改変)と小さくなった。
痛みが残存していることから、頚部両側面を触察したところ、筋緊張を確認した。筋緊張部位に緩消法を左右それぞれ約2分施術し、筋弛緩を確認した結果、主観により「さっきより口が開けやすい」との報告を受けた。改善が見られたことから、さらに同部位周辺の筋緊張部位に左右それぞれ約5分施術し、筋弛緩を確認した。結果、開口時の両顎関節周辺の痛みは10から0(NRS改変)と消失し、約4cm開口可能となった。
頚部両側面の筋緊張は脊柱起立筋の過緊張が要因と考えられ、脊柱起立筋の過緊張は腰部筋群の筋緊張が要因と考えられることから、再発防止の為に腰部側面の施術に移行した。仰臥位にて腰部側面に緩消法を約20分施術し、筋弛緩を確認し終了した。
両顎関節周辺の痛みによる開口制限が解消され、これからは美味しく味わって食べることが出来そうだと喜んで頂けた。