【患者】50代後半 男性
【主訴】歩行や椅子からの立ち上がりなどの動作が体が重く感じて大変
【既往歴】脳梗塞(2年前)
【現病歴】約2年前に脳梗塞を発症し、約半年間リハビリをして退院する。退院後もリハビリセンターにてリハビリを続けて少しずつは回復している。
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【現症】杖歩行で独歩が可能、椅子からの立ち上がりは介助者が患側の脇から支えながら行っている。介助があっても起立動作は困難で本人も力を出そうとしているため、食いしばって声を出しながら行う。左下腿に浮腫あり。
【施術と結果】本症例は、約2年前の脳梗塞による左半身麻痺によって起こった動作困難ではあるが、リハビリの結果、徐々に回復している点や独歩、椅子からの立ち上がりが出来る事と左下腿に浮腫があり体が重く感じるとの事から、腰部から下肢にかけての筋緊張を弛緩し下半身の血流が回復すれば動作が改善すると考えた。
触察にて腰部全体に筋緊張を確認し、先ず座位にて腰部側面へ緩消法を約10分施術した結果、腰部側面の施術前の押圧深は左約2.0㎝、右約2.5㎝から左右約3.5㎝となり筋弛緩を確認した。動作確認のためベッドへ移乗した際は、「いつもよりも楽に動ける」とご報告を受けた。次に下肢の触察により大腿四頭筋群に筋緊張を確認したため大腿動静脈およびリンパ節の圧迫が起こっていると考え左鼡径部周辺の筋緊張に対し約5分施術した、更に触察により膝窩周辺の筋緊張を確認したため膝窩動静脈およびリンパ節の圧迫が起こっていると考え膝窩周辺の筋緊張に対し約5分施術した。
最後に触察にて下腿三頭筋群の筋緊張を確認し膝窩から下腿中央部までの範囲に約25分施術し筋弛緩を確認した結果、左下腿の浮腫は主観で7割減となり、歩行時の体の重さは主観で5割減、椅子からの立ち上がり動作は介助なしで行う事が出来た。帰り際に「こんなに改善すると思わなかった、もっと早く来れば良かった。車で3時間掛けて来た甲斐があった」と喜んでいただいた。