【患者】50代後半 男性
【主訴】
右手薬指が腫れたようになり、握りにくい。
【既往歴】ー
【現病歴】20日前頃より誘因なく右手掌の掌握困難を感じるようになった。経過観察していたが、改善の様子が見られない為通院されている奥様のご紹介によりご来院された。
続きを読む
【現症】右掌の掌握困難と、特に薬指掌側と中手指関節から手首までの手掌腱膜、縦束の肥大が顕著。強く握ろうとしなければ痛みは伴わず、生活に支障はないが、パソコン作業は不自由を感じている。
【施術と結果】本症例は、誘因なく続く右薬指及び、右手掌の掌握困難を訴えており、薬指掌側と中手指節関節(以下、MP関節)から手関節までの手掌腱膜、縦束の肥大が顕著であった為、軟部組織の損傷も疑ったが、発症機転が特に誘因なく、目視及び触察にて熱感、腫脹が認められず、痛みも無いとのことから、発症部位及び、右前腕の筋腱の緊張による血行不良が要因と推測した。
先ず、薬指MP関節近位の手掌腱膜、縦束を触察し、約3mm大の腱緊張を確認し、約2分施術を行い、腱弛緩を確認した結果、掌握動作には変化は無かったが、薬指の屈曲はご本人の主観で約5割楽になったと報告を受けた。次に、薬指近位から手掌腱膜、縦束の弛緩の為に右前腕の筋群(長掌筋、浅指屈筋)を触察し、手首より約7cm近位周辺に筋緊張を確認し、約5分施術を行い、筋弛緩を確認した結果、目視による手掌の肥大が無くなり、掌握動作が約8割減少し、薬指の屈曲も気にすれば感じる程度と報告を受けた。
その後、手掌腱膜、縦束の自覚症状で感じる緊張部位を適宜、顕示していただきながら約10分施術を行い、訴えが無くなった時点で改めて確認していただいたところ、薬指、掌の掌握困難が無くなったと報告をいただきました。もっと早く来れば良かったと言われお帰りになられました。