【患者】80代後半 女性
【主訴】右肩を捻ると痛い。
【既往歴】変形性頚椎症、変形性腰椎症
【現病歴】約1か月前に右側臥位で就寝してから、徐々に右肩が痛み出した。現在右肩内旋動作で強い痛みが現れるが、内旋以外の動作ではほとんど痛みを訴えない。
続きを読む
【現症】右肩自動関節可動域(以下、ROM)内旋は右臀部で制限があり、右肩前面に運動痛を訴える。
【施術と結果】本症例は約1か月前に右肩痛を発症しており、右肩周辺に目視で腫脹や内出血を確認できず触察で熱感を確認できなかったことから、右肩痛の要因は筋緊張による血行不良と考えて触察したところ、右三角筋前部・中部線維周辺に筋緊張が確認された。
はじめに最も強い筋緊張が確認された右肩峰から約8cm遠位の三角筋前部線維周辺に約1分施術し筋弛緩を確認した。その結果右肩ROM内旋には変化が見られなかったが内旋時の運動痛は10から8(NRS改変)となった。引き続き同部位に約2分施術し筋弛緩を確認したが症状の変化が確認されなかったため、施術部位を右肩峰から約10cm遠位の三角筋中部線維停止部周辺に緩消法を約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果右肩ROM内旋は仙骨まで改善し、内旋時の運動痛は10から7(NRS改変)となった。
引き続き同部位に施術を約2分施術し筋弛緩を確認したが症状に変化が確認されなかったため、右肩関節周辺の筋緊張は腰部の筋緊張が要因となっていることを説明して腰部を触察したところ、第12肋骨下部の正中から右へ約7cm周辺に筋緊張が確認されたので、同部位周辺に約2分施術し筋弛緩を確認した。その結果右肩ROM内旋が第3腰椎棘突起となり、内旋時の運動痛は10から3(NRS改変)となった。引き続き同部位周辺に約5分施術し筋弛緩を確認した。その結果右肩ROM内旋が第12胸椎棘突起となり、内旋時の運動痛は10から0となり消失した。
1か月ほど悩んでいたとのことで、とても喜んでおられた。