【患者】20代後半、男性
【主訴】2週間前から夜中に痛くて目が覚める
【既往歴】右肩関節捻挫(2017年)
【現病歴】約5年前に就寝中にロフトベッドから転落した時、転落防止柵の隙間に右上肢が挟まった状態で転落したため右肩関節を捻挫した。右肩関節は安静固定により治癒し日常生活は問題なく過ごせていたが、後遺症として重量物(米30㎏、灯油20㎏)を持ち上げた際に右肩関節に痛みが発生するようになった、その痛みは数週間続くことが多い。今回は約5ヶ月前に灯油を持ち上げた際に痛みが発生し徐々に増悪し、5ヶ月経っても痛みは軽減せず約2週間前からは痛みは強くなっている。
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【現症】右肩関節関節可動域(以下、ROM)は2ndポジション外旋約30°で右肩関節前面の痛みのため可動制限あり。また、約2週間は毎晩、就寝時の体位変換時の痛みのため目覚める。
【施術と結果】本症例は、約5ヶ月前からの右肩関節の痛みを訴えているが、その要因として約5年前の右肩関節捻挫による筋損傷部が緊張していると考えられる。今回、灯油を持ち上げた際に同部位に過度な負荷が加わり筋緊張が強くなったと推察した。
疼痛部位から三角筋の緊張を疑い触察したところ、鎖骨下端外側1/3に筋の伸縮を触知出来ない筋硬結と思われる部位を確認し、同部位を緩消法にて2分弛緩した結果、右肩関節ROMは2ndポジション外旋約30°での痛みは10から0(NRS改変)となり、右肩関節ROMは2ndポジション外旋約40°まで大きくなった。残存している筋硬結に対し5分施術した結果、筋の伸縮を触知出来るようになり筋弛緩を確認した。右肩関節ROMは2ndポジション外旋約40°での痛みは10から1(NRS改変)となり、右肩関節ROMは2ndポジション外旋約70°まで大きくなった。
後日、就寝時の痛みが無くなりましたとご報告を受けた。