【患者】10代前半、女性
【主訴】歩いたり、階段の昇り降りの時に両膝が痛い。
【既往歴】-
【現病歴】約5ヶ月前の部活終了後に左膝関節内側に痛みが発生。約1ヶ月前には右膝関節にも痛みが発生し、歩行動作時などに痛みが出現していたが、立位姿勢による静止時にも痛みが出現するようになってきた。
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【現症】両膝関節共に歩行立脚期に痛みがあり、階段昇降時に関しても痛みが出現。日常生活における膝関節の関節可動域制限は左右共に確認できなかった。右膝関節と比較し、左膝関節の痛みが強い。
【検査所見】特記事項なし
【施術内容・結果】本症例は、両膝関節に痛みを訴えており、両膝関節周辺部の筋緊張が痛みの要因と考えた。
初めに、左膝関節内側に第1疼痛部位を訴えた為、施術者①が触察にて筋緊張を確認し、緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した。その結果、歩行時の左膝関節の痛みが10から8(NRS改変)と小さくなった。引き続き、同施術部位周辺の筋緊張部に緩消法を約1分施術し、筋弛緩を確認した結果、歩行時の左膝関節の痛みが10から5(NRS改変)と小さくなった。再度、第1疼痛部位を確認したところ、右膝関節に訴えた為、施術者②が触察にて右膝関節周辺部を確認したところ、膝蓋骨上極より近位10cm付近の右大腿直筋に筋緊張を確認し、緩消法を約1分施術し筋弛緩を確認した。その結果、歩行時の右膝関節の痛みが10から5(NRS改変)に小さくなり、歩行時の膝関節の痛みは左右差の確認が出来なくなった。
次に、両大腿直筋起始部付近である両下前腸骨棘付近を施術者③が触察にて筋緊張を確認し、緩消法を約5分施術し、筋弛緩を確認した。その結果、歩行時の両膝関節の痛みが10から3(NRS改変)と小さくなった。引き続き同施術部位に緩消法を約5分施術し、筋弛緩を確認。その結果、歩行時の両膝関節の痛みが10から2(NRS改変)と小さくなり、また、階段昇降時の両膝関節の痛みに関しては10から5(NRS改変)と小さくなった。膝関節周辺部の筋緊張は腰部の筋緊張が要因と考え、施術者④が触察にて腰部側面に筋緊張を確認し、緩消法を約10分施術し筋弛緩を確認した。その結果、歩行時の両膝関節の痛みが10から0(NRS改変)と消失し、また、階段昇降時の両膝関節の痛みに関しては10から3(NRS改変)と小さくなった。階段昇降時の痛みは残存しているが、歩行時の膝関節の痛みが無くなり喜んで頂けた。
【その他】本症例は、当院(しん整形外科)にて、緩消法認定技術者の①清水・②筆者(秦)・③小林・④渡邉の4名で順次施術を行った症例であり、部位ごとに施術者が変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査は施術者②が行った。