【患者】10代前半 男性
【主訴】約2時間前にバスケットゴールの側で遊んでいたときにぶつかって、右手の中指を突き指した。
【既往歴】―
【現病歴】約2時間前、バスケットゴールに接触した際に右中指を突き指受傷。
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【現症】右中指中手指節関節(以下、MP関節)の関節可動域(以下、ROM)は、自動で屈曲約30°で痛みが出現し、右中指指尖から近位手掌皮線までの距離は約1cmであった。
【施術と結果】本症例は、約2時間前に受傷した急性外傷であるが、目視による内出血や腫脹及び触察による熱感がないことから、腱や靭帯の損傷はないと判断した。右中指MP関節のROM制限及び痛みの要因として、右中指への強い衝撃が加わったことにより、右中指MP関節の浅指屈筋腱周辺が肥大したと考えた。
はじめに、右中指MP関節の浅指屈筋腱肥大部末端に緩消法を約1分施術し、腱肥大部の縮小を確認した。結果、右中指MP関節のROMは自動で屈曲約80°と大きくなり、痛みは10から3(NRS改変)と小さくなった。
痛みが残存していることから、右中指MP関節の浅指屈筋腱に沿って触察したところ、右中指MP関節より近位約2cmの範囲に筋硬結のようなものを確認した。当該部位に緩消法を約20秒施術し、筋弛緩を確認した。結果、痛みは10から0(NRS改変)と消失し、ROM制限が確認できなくなった。
右手指の屈曲伸展を繰り返しながら「痛くない」と、短時間での変化に大変驚いた様子であった。