【患者】80代前半 女性
【主訴】座った状態から立つときに右腰に痛みが出る。靴下を履く動作が痛みで辛い。
【既往歴】ー
【現病歴】2日前に重い物を持ち上げようとしたときに腰部右側に痛みが出現。それ以降、痛みの変化がない。
続きを読む
【現症】起立動作時に痛みが発症し(胸腰部関節可動域(以下、ROM)自動で約15°)、立位で1分程度で胸腰部ROM自動は0°になる。座位で右下肢を体幹側へ屈曲時右股関節ROM自動約100°で腰部右側腸骨稜上縁周辺に痛みが強く出る。歩行は可能。
【施術と結果】本症例は、ぎっくり腰による起立動作困難と右下肢屈曲動作時に腰部右側に痛みを訴えており、目視・触察にて疼痛部位に熱感・腫脹は確認できなかった為、痛みを訴える部位の筋緊張が痛みの要因であると推測した。
先ず、痛みを訴える腸骨稜右側上縁、第4腰椎(以下、L4)高位で棘突起より右側に約5cmの部位を触察し、筋緊張を確認。約2分施術し、筋弛緩を確認。結果、痛みが10から5(NRS改変)となった。痛みに変化がみられたため、同部位を約5分施術し、筋弛緩を確認。、痛みは10から0(NRS改変)となり、起立時、起立後の痛みが無く、ご本人主観で、「真っすぐ立てる」と報告を受けた。
次に、座位にて靴下を履くような動作(右下肢屈曲)をしていただき、疼痛を確認すると、痛みは10から5(NRS改変)となっていた。腸骨稜右側は筋弛緩を確認していたため、同動作時の疼痛は胸腰部側面の筋緊張によるものと推測し、腰部側面を触察し、押圧深約2cmの位置に筋緊張を確認。約2分施術し、押圧深約4cmになった。
結果、屈曲時右股関節ROM自動約125°痛みは10から0(NRS改変)となり、靴下の脱着を実際におこなっても痛みが無いと報告を受けた。