約2年前の左中指弾発指発症から続く左中指屈曲制限の改善例

【現症】左中指PIP関節屈曲約45°が限界である。屈曲時にPIP関節から中手指節関節(以下MP関節)間の背側に引脹感あり。
【施術と結果】本症例は、左中指PIP関節からMP関節間の引脹感による屈曲制限を訴えていることから、左中指PIP関節からMP関節間の背側に引脹感を訴えていることと、目視にて、浅指伸筋腱周辺の肥大が確認できたことから、浅指伸筋腱周辺の肥大が左中指PIP関節屈曲困難感の要因であると考えた。
　まず、左中指PIP関節からMP関節間の浅指伸筋腱周辺の肥大を緩消法にて約30秒弛緩したところ、引脹感が主観で1割減少した。屈曲時の制限は変化がなかったが、引脹感が減少したため、同部位を緩消法にて約2分弛緩したところ、引脹感は主観で3割減少し、左中指PIP関節屈曲約50°まで可能となった。引き続き同部位の施術を継続したが症状の変化がみられなかったため、浅指伸筋の筋緊張が浅指伸筋腱の肥大を誘発すると考え、浅指伸筋の筋腹周辺を触察したところ、筋緊張が確認できたため、緩消法にて約2分弛緩したところ、引脹感は主観で6割減となり、左中指屈曲約60°まで可能となった。
　ここで、浅指伸筋の筋腹周辺は比較的筋が弛緩したため、再度浅指伸筋腱の肥大を緩消法にて約1分弛緩したところ、引脹感は主観で9割減少し、把握動作が可能となった。約2年悩んだので、良くなることはないとあきらめていた症状が改善したことに驚きの表情であった。