【患者】60代前半 男性
【主訴】お尻の下から太もも裏が痛い。
【既往歴】糖尿病
【現病歴】趣味でジョギングを長年やっているが、約1年前に走行中に
左坐骨結節から左大腿部後面にかけて遠位約20cmの範囲で痛みが発症した。当院にて同じ様な症状で良くなられたジョギング仲間の紹介で来院された。
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【現症】症状としては左坐骨結節から左大腿部後面遠位約20cmの範囲での痛みであり、側臥位では痛みがないが、騎座位での安静時痛と立位での胸腰部伸展位で同部位の痛みが増悪する事を確認した。
【施術と結果】本症例は約1年前のジョギング中に発症した左坐骨結節から左大腿部後面遠位約20cmの範囲での痛みであり、筋挫傷の可能性も考えられるが、約1年経過している事もあり、現症としては左坐骨結節から左大腿部後面遠位約20cmの範囲の筋緊張による血行不良が要因であり、根本的には腰部の筋緊張が要因ではないかと考察した。
先ず、ご本人に痛みを感じる位置を確認すると、主観で左坐骨結節から左大腿部後面遠位約20cmの範囲の筋表層ではなく深層部との事。深層部の痛みを訴えられている為、痛みの改善には腰部深層の左腰方形筋付近を弛緩する必要がありと考え、緩消法により筋表層から順番に筋弛緩させなくてはならない為、ご本人に痛みの改善にはある程度の時間が必要と告知してから施術を開始した。最初に痛みを訴える左坐骨結節辺りから真上の腸骨陵付近に触察により筋緊張を確認し、同部位に緩消法を約2分行い約5mmの筋弛緩を確認した。その結果、痛みの変化は確認出来なかった。
改めて本症例の痛み改善には腰部深層の腰方形筋付近の弛緩が必要と認識し、腰部左側側面の表層筋から筋弛緩させるべく、緩消法を約20分行い、押圧深が約1cmから約4cmになり、筋弛緩を確認した。その結果、騎座位時の左坐骨結節から左大腿部後面遠位約20cmの痛みが10から3(NRS改変)になった。
また、立位での胸腰部伸展時の左坐骨結節から左大腿部後面遠位約20cmの痛みは10から5(NRS改変)になった。痛みの軽減を実感され、安堵の表情が見受けられた。完治を目指して通院を希望し帰路につかれました。