【患者】90代前半 女性
【主訴】1ヶ月くらい前から急に腰が痛くなって、歩けないし、じっとしていても痛いので眠れない。
【既往歴】脳梗塞(約5年前)
【現病歴】約1ヶ月前に特に誘因なく急性腰痛症を発症した。過去に腰痛歴はない。近医整形外科を受診し鎮痛薬を服用中、レントゲン検査に異常所見はない。
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【現症】腰部左側(腰腸肋筋辺りから中殿筋辺り)に痛みが発現し、安静時痛もあり。騎座位から立ち上がり時の動作痛が著明であり、歩行痛により自力歩行は困難であり、両上肢の介助により、何とか歩行が出来る状態である。
【施術と結果】本症例は約1ヶ月前に特に誘因なく急性腰痛症が発症し、近医整形外科のレントゲン検査では異常所見がなく、痛みの要因としては、痛みを訴える腰部左側(腰腸肋筋辺りから左中臀筋辺り)の筋緊張による血行不良であろうと考えた。腰部左側の筋を触察すると腰部左側全体の筋緊張が確認出来た。
先ず最初に第3〜第4腰椎辺りの高位で腰部左側側面の筋緊張部位に緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。その結果、腰部左側(腰腸肋筋辺りから左中臀筋辺り)の安静時痛が10から8(NRS改変)になった。
騎座位からの立ち上がり動作痛は変化が無かった。
安静時痛の改善が確認出来た為、引き続き同部位に緩消法を約10分行い、筋弛緩を確認し、押圧深は約0.5cmから約1.5cmになった。その結果、腰部左側(腰腸肋筋辺りから左中臀筋辺り)の安静時痛の変化は確認出来なかったが、騎座位からの立ち上がり動作痛が10から0(NRS改変)と消失した。この時、見学されていた息子さんも驚かれていました。
さらに引き続き約10分同部位に緩消法を行い筋弛緩を確認し、押圧深は約2cmになった。その結果、騎座位時の安静時痛が10から0(NRS改変)と消失した。
ここで、ご高齢で体力的な事を考慮し、施術は終了した。この日の自力歩行は困難であったが、両上肢を介助されての施術後歩行は施術をする前と比較すると明らかに歩行がスムーズになった。
後日の来院時に仰臥位での睡眠が可能になったと笑顔で報告を受けた。