【患者】50代前半 男性
【主訴】左のお尻に縦に痛みが出て、太ももの裏まで痛くなる。
【既往歴】坐骨神経痛 盲腸術後
【現病歴】症状は3年前頃より左臀部に違和を感じるようになり、腰痛も伴いながら左臀部の症状の増悪が起こるようになってきた。痛みが強く出始めた2年前頃に近医整形外科にて坐骨神経痛と診断を受けた。
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【現症】左臀部から左大腿後面外側に外転時に痛みが現れるも、関節可動域(以下、ROM)自動、他動の制限はみられなく、安静時、歩行時痛は無い。
【施術と結果】本症例は約2年間続く左臀部から左大腿後面外側に外転時の痛みを訴えており、安静時や歩行時に発痛が無いこと、腰痛を伴いながら左臀部の症状が増悪してきたことから、痛みの要因は、腰部後面筋群及び、臀部、大腿後面外側の発痛箇所の筋緊張による血行不良と推測した。
触察にて、腰部後面の第4腰椎(以下、L4)棘突起から左外側に腸骨上縁に沿って約5cmの幅で、腰方形筋、起立筋下部周辺に筋緊張がみられた。腰部側面の筋群は体表より左右とも押圧深約6cmあり、痛みを訴える左臀部及び左大腿後面外側の筋群には、過度な筋緊張は確認出来なかった為、施術は腰部後面の筋群に対して行うこととした。左腸骨上縁の筋緊張部位に対して左側方よりL4棘突起方向に向かって約2分施術し、約1cm筋弛緩を確認。結果、左臀部の痛み10から8(NRS改変)、大腿後面外側の痛み10から0(NRS改変)。
その後、同部位に施術を続け、約1cmづつ筋弛緩を行っていく毎に、左臀部の痛みが外側から無くなってきているとご本人(患者さん)主観で報告受け、痛みも10から6、4(NRS改変)と小さくなっていき、合計約8分で、L4棘突起まで約2cm幅まで筋弛緩が確認できたところで、痛み10から0(NRS改変)となった。
施術終了後、四股を踏むような動作をされ、ご本人(患者さん)主観で、この動作で痛みのない軽い感覚を久しぶりに得られたと喜んでおられました。