【患者】30代後半 男性
【主訴】左腕が痛くて挙がらない。左腕が重く感じる。左腕を回すとコキコキ音がする。
【既往歴】―
【現病歴】約2か月前から誘因なく発症。
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【現症】自動運動による左肩関節可動域(以下、ROM)は腰かけ座位にて外転約115°。その他肩ROM制限は確認出来なかった。左肩関節の外転動作時に三角筋中部の起始部周辺に痛みが発生。水平内転から水平外転動作にかけて左上腕部に倦怠感が出現。左肩関節を軸にした後方回転運動を行う際にクリック音が発生。
【施術と結果】本症例は、左肩関節の外転動作時に三角筋中部の起始部周辺に痛みを訴えており、その要因として左肩関節周辺の筋緊張によるものと推察。
はじめに、触察にて最も痛みを訴える三角筋中部の起始部周辺の筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。結果、自動運動による左肩ROMは外転約170°と大きくなり、痛みは10から3(NRS改変)と小さくなったが、水平内転から水平外転動作にかけて左上腕部に倦怠感が出現した為、その要因として左広背筋の筋緊張によるものと推察した。左第10肋骨下部の左広背筋周辺に触察にて筋緊張を確認し、緩消法を約2分行い、筋弛緩を確認した。結果、主観により倦怠感が消失し、左肩関節を軸にした後方回転運動を行う際のクリック音が少なくなったとの報告を受けた。自動運動による左肩ROMは外転約180°となり、痛みは10から1(NRS改変)となった。
次に、左肩ROMに関わる左大胸筋の筋緊張も確認出来たことから、緩消法を約3分行い、筋弛緩を確認した。結果、痛みが10から0(NRS改変)と消失した。
誘因なく発症したことから不安であったが、あっという間に左肩ROM制限が改善され痛みも消失した為、大変驚かれている様子だった。