【患者】50代後半 男性
【主訴】デスクワークで1日9〜10時間程座りっぱなしが多く、立ち上がろうとすると腰が痛くて伸ばせない。
【既往歴】腰椎椎間板ヘルニア
【現病歴】中学生時代にやっていたラグビーが原因で腰痛を発症し、それ以来慢性腰痛になり、13年前にはレーザー椎間板減圧手術を受けたが術後2年で腰痛が再発した。それ以降は特に治療は受けず、辛い時はモーラステープを貼って症状を緩和している。現在、海外生活をされているが、一時帰国中。緩消法を事前に調べ来院された。
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【現症】デスクワークが多く長時間の座位後、立ち上がり動作時痛及び胸腰部伸展困難の症状が発現し、その他、日常動作に於いても重い物を持った後や趣味であるサイクリング、ゴルフ後にも腰部痛及び胸腰部伸展困難な症状が発現する。
【施術と結果】本症例の腰部の症状は過去に於いては軟部組織の損傷も考えられるが、現在の症状としては発症機転から推測すると腰部の筋緊張による血行不良であろうと考えた。
腰部の筋を触察すると腰部全体の強い筋緊張を確認できた。腰部全体の筋弛緩をする必要がある為、腰部の真横周辺から正中に向かって緩消法を行う方針をたて、腰部真横周辺の筋緊張部位を触察により確認し、約2分緩消法を行い筋弛緩を確認した。その結果、座位からの立ち上がり動作痛が10から5(NRS改変)になった。そして主観で立ち上がり動作がスムーズになったとの報告を受けた。
緩消法の効果を期待して来院されたようでしたので納得の表情と報告でした。効果が認められたので、更に同部位に緩消法を約10分行い筋弛緩を確認した。その結果、押圧深は約1cmから約3cmになり、座位からの立ち上がり動作時痛は10から0(NRS改変)になった。
更に胸腰部伸展が楽に出来るようなったとの報告を受けた。2日後に海外に戻られる予定との事で、ご自身で緩消法を覚えて再発しない状態にしたいと明るい表情で帰路につかれた。