【患者】60代後半 女性
【主訴】腰が痛く伸ばせない。カートに頼らず歩ける様になりたい。
【既往歴】糖尿病 高血圧症 骨粗鬆症
【現病歴】約10年程前から特に要因なく腰痛が発症し、徐々に症状は悪化し、約5年前からはカート未使用では100mも歩行出来ない。
胸腰部伸展も困難になり、立位時や歩行時は常に20°程前屈姿勢になる。近医整形外科を受診し、脊柱管狭窄症の診断を受け、手術を勧められるも手術をしたくないと来院された。
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【現症】安静時痛及び座位時の痛みは発現しない。但し、座位からの立ち上がり動作痛や立位での胸腰部伸展時痛及び伸展困難。更にカート等の介助用具不使用では約100m程しか持続的な歩行は出来ない。疼痛発現部位は左右第4、第5腰椎周辺部である。
【施術と結果】本症例は脊柱管狭窄症の診断を受けているものの、特に下肢の麻痺症状が認められない為、腰部の筋緊張による血行不良が要因であろうと考えた。
腰部の筋を触察すると、腰部全体に筋緊張が確認出来た為、腰部真横の第3〜第4腰椎高位の筋緊張部位に正中に向かって緩消法を約2分行い筋弛緩を確認した。その結果、座位からの立ち上がり動作痛が10から5(NRS改変)になり、胸腰部伸展が可能になった。
効果が認められた為、更に同部位に緩消法を約25分行い筋弛緩を確認した。押圧深は左右共約2cmから4cmになり、座位からの立ち上がり動作痛は10から0(NRS改変)になった。立位時及び歩行時の約20°前屈していた姿勢も前屈姿勢は解消され、伸展保持が出来る様になった。
何年か振りに腰が伸びるようになり、見える景色が違うと喜びの表情でした。