数ヶ月前に発症した後頚部から肩への痛みが改善した一例

【現症】頚部は左右自動側屈で、ともに左後頚部に痛みあり。痛みの強さは、右側屈時のほうが左側屈時よりも強い。肩可動域は日常生活活動に支障なし。後頚部は、触診上、左肩甲骨内側頭側の肩甲挙筋付着部付近が最も筋緊張が高かった。
【検査所見】Jacksonテスト陰性、Spurlingテスト陰性。その他、神経学的な異常なし。
【治療と結果】頚部や肩関節を動かしてもらい、一番痛みを感じる箇所から緩消法を順に実施した。
　左肩甲骨の肩甲挙筋付着部付近の部分は、肩甲骨を他動で動かす時、患部に触れている指先に軟部組織が剥がれるような音を感じたため、筋線維または筋膜の癒着があったと思われる。
　その直後、頚部自動側屈時の痛みは、右側屈時10から5（NRS改変）に、左側屈時10から4（NRS改変）に小さくなった。更に後頚部全体に治療を続け、合計約30分の治療でどちらも2（NRS改変）まで小さくなった。