【患者】30代後半 女性
【主訴】両足の膝下が痛いです。今現在はコロナ禍で休んではいますが、ママさんバレーが出来る様になりたいです。
【既往歴】ー
【現病歴】中学生時代にバレーボール部でアタッカーをしていた頃には成長痛だと思われる左脛骨粗面周辺痛があった。約4ヶ月前に1時間程の歩行後から同箇所の痛みが約20年ぶりに再発した。右脛骨粗面周辺も約2ヶ月前から誘引なく痛みが発生した。自分なりに筋力低下が要因であろうと考え、筋トレをしていたが、良くならず来院された。
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【現症】疼痛箇所は左右共、脛骨粗面周辺で安静時痛や歩行痛はないが、蹲踞時の動作痛及び圧痛がある。右脛骨粗面には目視により軽度の膨隆が確認できるが、触察により左右脛骨粗面周辺の熱感は確認できない。
【施術と結果】本症例は左右脛骨粗面周辺の圧痛を訴えており、軟部組織の損傷も考えられはしたが、痛みの発症から約4ヶ月経過し、安静時痛がなく且つ、歩行痛がない事、さらには触察により熱感がない事を確認していた為、痛みの直接的な要因として大腿四頭筋辺りの筋緊張による血行不良と考えた。
さらに大腿四頭筋辺りの筋緊張の要因として上前腸骨棘周辺の筋緊張及び根本的な要因としては腰部全体の筋緊張であろうと推測した。先ず、左右大腿四頭筋辺りの筋緊張の要因であろう左右上前腸骨棘内縁の筋群の筋緊張を触察により確認した。同箇所に約1分緩消法を行い、約5mm程の筋弛緩を確認した。
その結果、脛骨粗面周辺の蹲踞時の動作痛及び圧痛は右が10から0(NRS改変)になり、左は10から5(NRS改変)になった。引き続き左上前腸骨棘内縁の緊張した筋群に約5分緩消法を行い、さらに約5mm程の筋弛緩を確認した。その結果、蹲踞時の動作痛及び圧痛は10から1(NRS改変)となった。短時間による痛みの改善に少し驚かれた様子。後の時間は大腿四頭筋辺りの筋緊張の根本的な要因であると推測した腰部の筋緊張を触察により確認し、同箇所の腰部側面の第2.第3腰椎高位の筋緊張部位に正中に向かって緩消法約30分行なった。その結果、右腰部は押圧深約4cm、左腰部は押圧深約3cmになり、左脛骨粗面周辺の痛みは10から1(NRS改変)のままではあったが、満足された様子で完治を目指し次回の予約をされて帰路につかれた。