【患者】9歳、女児
【主訴】お友達と遊んだ次の日から右の膝が痛くなった。
【現病歴】当院受診の1週間前、友人と外で遊んだ次の日から右膝部が痛くなったとのこと。昼過ぎから夕方6時まで遊んでいたという。何をして遊んでいたのかは秘密だと。「よく走った」とだけ申告があった。その際に転倒や何かにぶつけたりはしなかったとのこと。
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【現症】安静時痛なし。右膝関節伸展時に痛みがあるとのことだが、可動域制限はなし。
【施術と結果】本症例は右膝部の痛みを訴えているが、目視にて擦過傷や皮下出血・腫脹等確認できなかったため、痛みの一つの要因として膝関節周辺の筋緊張による血行不良が考えられた。本人に痛みが一番強く感じられる部位を伺ったところ、膝蓋周辺が全体的に痛むと訴えた。痛みの範囲が広かったことと、本人の長時間駆け足をしたとの申告から、大腿四頭筋周辺の筋緊張が痛みの要因と考え、触察したところ、大腿四頭筋周辺が全体的に緊張しており、目立って筋緊張の強い部位や筋硬結のような状態はなかった。そこで、大腿四頭筋の筋緊張の要因として考えられる、外腹斜筋の上前腸骨棘付着部付着部周辺の筋緊張部位を弛緩することとした。
触察にて外腹斜筋の上前腸骨棘付着部周辺の筋緊張を確認し、緩消法にて約2分弛緩したところ、痛みが10から7(NRS改変)となった。その後も外腹斜筋の上前腸骨棘付着部周辺の筋緊張を緩消法にて約5分弛緩したところ、痛みが10から5(NRS改変)となったが、筋弛緩の度合いが芳しくなかったため、外腹斜筋の上前腸骨棘付着部周辺の筋緊張を誘発すると考えられる腰部側面の筋緊張に対して施術していくこととした。触察にて腰部側面の筋緊張を確認し、緩消法にて約2分施術弛緩したところ、痛みは10から2(NRS改変)となった。痛みの減少が確認できたため、腰部側面の筋緊張を緩消法にて約10分弛緩したところ、痛みは10から0(NRS改変)となった。
「明日からまた同じ遊びができる」と嬉しそうに報告を受けた。