【患者】10代前半 男性
【主訴】3〜4ヶ月前からサッカーをすると左膝が痛い。椅子から立ち上がるとき痛い。左膝を触ると痛い。
【既往歴】-
【現病歴】3〜4ヶ月前から左膝に痛みが発症し、近医整形外科にてレントゲン施行し異常なしとのこと。オスグッド・シュラッター病と診断され、ストレッチをするようアドバイスを受けた。その後別の治療院へ1~2回通院。その他家庭用電気治療器を購入し自宅で使用していたこともあり、多少の改善は見られた。サッカー競技中は左膝にサポーターをして痛みをごまかしながら続けていた。
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【現症】痛みを訴える部位は左脛骨粗面周辺である。サッカー競技中及び腰かけ座位からの起立動作による重心の上方移動時に左膝痛あり。左脛骨粗面周辺に圧痛あり。圧痛のある部位に目視にて膨隆を確認。
【施術と結果】本症例は、左脛骨粗面周辺に痛みを訴えているが、触察により腫脹や熱感を感じられなかった為、外傷性ではなく、左大腿四頭筋周辺及び左上前腸骨棘内縁の筋緊張による牽引痛であると考えた。
はじめに、触察により左大腿四頭筋の筋緊張を確認し、左膝蓋骨上端より約10cm近位に緩消法を約3分行い、筋弛緩を確認した。結果、左膝の腰かけ座位からの起立動作による上方移動時の痛み(以下、起立動作時痛)が10から3(NRS改変)と小さくなった。次に、左大腿四頭筋の筋緊張の要因であると思われる左上前腸骨棘内縁の筋緊張を確認し、緩消法を約3分行い、筋弛緩を確認した。結果、左膝の起立動作時痛が10から0(NRS改変)に消失した。
次に、圧痛の残存があるため、圧痛部である左脛骨粗面周辺に緩消法を約2分行い、膨隆が小さくなったことを確認した。結果、左脛骨粗面周辺の圧痛が10から4(NRS改変)と小さくなった。
最後に、左大腿四頭筋周辺及び左上前腸骨棘内縁の筋緊張による牽引痛の要因であると思われる腰部全体の筋緊張を確認し、腰部側面より緩消法を約10分行い、筋弛緩を確認した。結果、押圧深が左右共、約1cmから約2cmとなった。左脛骨粗面周辺の圧痛は10から1(NRS改変)と小さくなった。
後日親御さんより、施術日の数時間後に行われたサッカー練習では痛みが出なかったとの報告を受けた。更に2~3週間経過した現在でも問題なくサッカーが出来ているとの追加報告もいただき、大変喜ばれていた様子だった。