パーキンソン病患者の両膝痛改善

【現症】立位安静時、椅坐位安静時、椅坐位からの起立動作、重心の前方移動期、仰臥位で大腿部前面の膝蓋骨上縁から膝蓋骨上縁１５ｃｍの範囲に痛みがある。椅坐位からの起立動作には手すりが必要。歩行時の足底と床間の最大距離は約２ｃｍ。
【施術と結果】本症例は、２年前にパーキンソン病と診断された頃から、両膝から大腿部前面に痛みがあった。
　痛みの要因として考えられる上前腸骨棘の内側周辺を触察したところ筋緊張と思われる状態を確認し、緩消法の施術を約５分間行い、筋弛緩が感じられたところで、両膝の痛みが１０から６（NRS改変）となり、椅坐位からの立ち上がり動作には手すりが不要となる。
【その他】本症例の主訴は膝の痛みであるが、脱力感を訴え、歩幅が小さいパーキンソン症状の改善も希望されていた。パーキンソン症状の要因として、頭部への血行不良が考えられ、腰部側面と頸部の筋緊張部位に休憩をしながら緩消法を約１２０分施術した。その結果、歩行時の足底と床間の距離は約５ｃｍとなり、施術前より３ｃｍ大きくなった。また、主観で脱力感は減ったと報告を頂いた。