【患者】
40代前半 男性
【主訴】
「仕事中に体温計を使う必要があるのだけど、計測完了の『ピピッ』という音と耳鳴りの音が同じ感じで聞こえなくて困る。人との話も聞こえにくい。」
【既往歴】
左耳突発性難聴(約2年前、耳鳴りを伴う)
【現病歴】
約2年前、誘因なく左耳突発性難聴を発症した。現在も耳鳴りと難聴が残存している。
緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】
40代前半 男性
【主訴】
「仕事中に体温計を使う必要があるのだけど、計測完了の『ピピッ』という音と耳鳴りの音が同じ感じで聞こえなくて困る。人との話も聞こえにくい。」
【既往歴】
左耳突発性難聴(約2年前、耳鳴りを伴う)
【現病歴】
約2年前、誘因なく左耳突発性難聴を発症した。現在も耳鳴りと難聴が残存している。
【現症】
左耳では約4,000Hz付近の耳鳴りを自覚しており、体温計の計測終了音が判別できないとの訴えであった。また、音量・音質とも正常に聞こえる状態を10とすると、主観で4程度との報告を受けた。
【施術と結果】
本症例は、耳鼻咽喉科で特別な診断はなされておらず、頚部および耳下腺周辺の筋・皮下組織の緊張が関与している可能性を推察した。患者自身が耳下腺周辺へのセルフケアを行っていたが、聴力や耳鳴りに変化はなかったとの報告を受けたため、頚部への施術を行った。
右耳への施術終了後、左耳への施術を開始した。約15分で弛緩を触知し、音量・音質ともに主観で4から7へ改善したとの報告を受けた。
耳鳴りについては変化がみられなかったため、耳珠前方部への施術を約2分行い弛緩を触知したところ、「耳鳴りが今までとは違う周波数に変わった」との報告を受けた。ここで施術時間終了となった。腰部の筋緊張が頚部筋緊張へ影響する可能性を説明し、維持改善には腰部の筋弛緩も重要であることを説明した。
後日、「体温計の音はまだ区別しにくいが、職場での会話は楽になった」との報告を受けた。
【考察】
本症例は、約2年前から持続していた左耳突発性難聴および耳鳴りに対し、頚部筋群の弛緩によって聴力の主観的改善が認められた一例である。さらに耳珠前方部への施術後には耳鳴りの性状変化も認められ、耳周囲の筋・軟部組織の緊張が症状に関与していた可能性が示唆された。発症から長期間経過した症例でも変化が認められたことは、慢性的な難聴に対する身体機能面からのアプローチを検討する上で興味深い所見と考えられた。
【その他】
本症例は医学的診断および治療を目的としたものではなく、緩消法による筋緊張の弛緩に伴う身体反応を記録した症例報告である。