【患者】70代前半、女性
【主訴】靴下を履く動作がやり辛く、右の股関節から膝の下あたりまでの外側が攣る感じ。
【現病歴】約10年前、特に誘因なく右股関節痛が出現。近医整形外科を受診し変形性股関節症と診断を受けた。当時、通院リハビリを行っていたが、リハビリ担当者が転勤になったため通院もやめてしまった。その後は自然経過に任せていたが、約1ヶ月前に痛みが増加したため来院。
続きを読む緩消法研究会では、緩消法施術による症例報告を掲載しています。
【患者】70代前半、女性
【主訴】靴下を履く動作がやり辛く、右の股関節から膝の下あたりまでの外側が攣る感じ。
【現病歴】約10年前、特に誘因なく右股関節痛が出現。近医整形外科を受診し変形性股関節症と診断を受けた。当時、通院リハビリを行っていたが、リハビリ担当者が転勤になったため通院もやめてしまった。その後は自然経過に任せていたが、約1ヶ月前に痛みが増加したため来院。
続きを読む【現症】椅座位(股関節屈曲約90°・外転0°肢位。以下、同肢位)の状態から、靴下を履く動作(右足関節外果を左膝に近づける動作)が出来ない。また、同肢位からの右股関節自動屈曲可動域(以下、ROM)は+約10°で、その時に下腿外側が攣りそうな感じあり。
【検査結果】レントゲン写真にて、両股関節は変形初期。
【施術と結果】本症例は、画像検査にて骨頭壊死等の骨性所見が無いことから、股関節とそれに繋がる腰部筋群の緊張亢進が要因の一つと考えた。触察にて股関節よりも腰部のほうが亢進度合いが高いと感じたため、まずは右腰部側面を施術開始箇所とした。
施術者①から施術開始。約2分後、施術部の筋弛緩は得られたが、弛緩度が想定よりも遅かった。問診にて線維筋痛症様症状の経験歴があったため、頚部筋群にも緊張亢進箇所があると考え、施術箇所をアナトミートレインのバックラインと関連すると思われる頚部筋群の右側面へと移行する事とした。
触察にて頚部右側面の筋緊張を確認すると亢進箇所があったため、そこに施術を実施。約5分で施術部の筋弛緩を確認できたと同時に、腰部も先ほどより確認出来た。同肢位からのROM改善角度は+約10°であった。股関節が施術前よりも動くようになったため、「なんで?!」と驚きの報告を受けた。
次に施術者②に交代。約5分の腰部への施術と、約10分の頚部への施術を継続。結果、同肢位からのROM改善角度は更に+約10°となり、靴下を履く動作にて、右足関節外果を左膝蓋骨遠位部に接触させることができるようになった。主観で「靴下を履く動作がしやすくなった。攣る感じも減った。」とのこと。また、 「今後この症状を治す為に、緩消法を覚えてみたい」と先への希望を持った報告を受けた。
【その他】本症例は、当院にて、緩消法認定技術者の①渡邉②秦の2名で順次施術を行った症例であり、施術者を変更しても緩消法の効果を確認出来た症例であった。尚、本症例の検査評価は施術者②が行った。